桜前線がどんどん北上し、当店がある静岡県浜松市も桜の見頃を迎えました。

和菓子の世界も桜が満開です。
桜をモチーフにした様々なお菓子の中、こちらは鹿の子、菓銘：花明り（はなあかり）です。
鹿の子とは、上生菓子の種類のひとつで、豆の蜜漬けを隙間なく並べた様子がシカの背中の斑点に似ていることからそう呼ばれています。

「花明り」は、満開の桜が、夜でもほのかに辺りを照らす様子を表した言葉です。ふっくらと艶やかに炊いた金時豆を夜に見立て、その上には練り切り餡の桜を幾重にも重ねて満開を表現しています。

白とピンクの練り切り餡を、不規則に並べて延ばすことでぼかしを作りあげます。グラデーションによって、花ひとつひとつに表情を出し、奥行きを出すことができます。

和菓子手作りキット　かしあわせでも、色の異なる練り切り餡を、重ねるぼかしの技法で、花びらの動きを表現していただいています。ぼかしの技法を使う事で、単色とは異なる幅広いニュアンスを表すことができますので、ぜひ練習してみてください。

菓銘でもある花明りなど、桜を表現する言葉が数多く存在します。人々が昔からこの花を愛で、この花が咲く季節をとても楽しみにしてきたことがうかがえます。

昨年、今年といつもとは違う春です。遠出もお花見も気がひけてしまうこのご時世だからこそ、のんびりとご自宅で　和菓子の桜を愛でて過ごすのも一興かと思います。

また、和菓子手作りキット　かしあわせで、オリジナルの桜や、あなたが大好きな春の風景を作り、楽しい一日をお過ごしいただけるとうれしいです。

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